スポーツドリンクは必要なし!適切な水分補給を!

栄養素

人間の身体は約60~70%が水分で出来ており、しっかりとした水分補給は身体を正常に巡らせるために最も大切なものです。

食事中は水やお茶を飲んでいる方がほとんどだと思いますが、練習の間や試合中などの水分補給についスポーツドリンクを飲んでしまってはいませんか?運動量の多い選手にとって、汗により消耗しやすくなるミネラルなどの補給に最適、というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実は市販のスポーツドリンクはほぼ砂糖の固まりともいえるもので、人工甘味料や身体に害のある添加物もとても多く、摂るほど悪影響があるものといえます。

例として、市販のスポーツドリンクに含まれる成分を見てみましょう。

果糖ぶどう糖液糖、塩化Na/ クエン酸、香料、クエン酸Na、アルギニン、塩化K、硫酸Mg、乳酸Ca、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(スクラロース)、イソロイシン、バリン、ロイシン

原材料表記は配合量が多いものから先頭に表示されるので、上記の場合メインの成分は果糖ぶどう糖液糖になります。

果糖ぶどう糖液糖とは?

正式名称は「高フルクトース・コーンシロップ(異性化糖)」と言います。
※フルクトース→果糖・コーン→とうもろこしのこと。
つまりとうもろこしから作った高果糖のシロップということですが、実際はとうもろこしだけでなくじゃがいもなどのでんぷんを分解してできたブドウ糖とブドウ糖の一部を、酵素によって果糖に異性化させた化学物質のことをいいます。
ブドウ糖は砂糖の0.7倍程度の甘さしかなく、果糖は砂糖の1.3倍の甘さがあるため、ブドウ糖の一部を果糖に異性化することで、甘味が強い甘味料に変えているのです。

異性化糖製品は糖のうちの果糖の含有率によって名前が違うので注意しましょう。
・ぶどう糖果糖液糖:果糖含有率が50%未満
・果糖ぶどう糖液糖:果糖含有率が50%〜90%
・高果糖液糖:果糖含有率が90%以上
・砂糖混合異性化液糖:上記の液糖に 10 % 以上の砂糖を加えたもの(その液糖がぶどう糖果糖液糖であれば、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖と表示)

果糖ぶどう糖液糖は砂糖よりも安価で甘味が強い為、使用量が少なく済むのでスポーツドリンクやドレッシング、調味料などとても多くのものに使われています。

果糖ぶどう糖液糖の危険性とは…

■ブドウ糖…腸で吸収された後、血液に入り全身の細胞に運ばれる時に血糖値が上がり、それを調整するホルモンであるインスリンの作用によって細胞内に取り込まれる(その時に余った分は中性脂肪となって蓄えられる)
■果糖…ほとんどが肝臓で代謝されるため、血糖値があがらないのに吸収が早く、肝臓ですぐに中性脂肪などに変換され余分なものが脂肪として蓄積される

上記のように、お米などにも含まれるブドウ糖と果糖は人の体内での働きが全く違います。

代謝の仕方が異なり、血糖値の上昇に関してはブドウ糖よりも果糖の方が上がらない為、果糖ぶどう糖液糖も砂糖よりはマシだと思われがちですが、実は果糖ぶどう糖液糖の方が砂糖よりもはるかに血糖値が早く上昇します。
砂糖は果糖とブドウ糖からできているので、砂糖を摂ると体内でその2つに分解してから吸収されますが、果糖ぶどう糖液糖はすでにブドウ糖と果糖に分かれている状態の為、吸収がものすごく早いからです。
あっという間に吸収されて血糖値がはね上がるため、その後に待っているのは急激な下降です。

これがいわゆる血糖値スパイクと呼ばれるもので、下がりすぎた血糖により低血糖をも引き起こします。低血糖は疲れやすくなるだけでなく、朝起きれない、やる気がでない、集中できないなどメンタル面にも多くの影響を及ぼし、パフォーマンスにも大きな影響を与えてしまいます。

練習や試合中の水分補給にスポーツドリンクを摂ると、常にこの乱高下が起きやすい状態になってしまいます。水分補給にはスポーツドリンクは避け、水に塩やマグネシウムなどのミネラルを入れたもの(+レモンなどビタミンも入れるとさらに◎)でしっかりと失われた水分とミネラルを摂るようにしましょう。

また水分補給以外にも、普段から過剰な糖質を摂ることは避け、野菜や食物繊維を多く摂る、間食は甘いお菓子ではなくゆで卵やナッツなど栄養価が高く血糖値が上がりにくいものを選ぶなど、日頃の食事から意識することも大切です。

是非出来るところからはじめてみてください。

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